| |
1 いつの時代にも求められる資質能力
教員の資質能力とは,第1次答申において示されているとおり,一般に,「専門的職業である。『教職』に対する愛着,誇り,一体感に支えられた知識,技能の総体」といった意味内容を有するものと解される。 そして,学校教育の直接の担い手である教員の活動は,人間の心身の発達にかかわるものであり,幼児・児童・生徒の人格形成に大きな影響を及ぼすものである。
このような専門職としての教員の職責にかんがみ,昭和62年12月18日付け本審議会答申「教員の資質能力の向上方策等について」 (以下「昭和62年答申」という。)において示されているとおり,教育者としての使命感,人間の成長・発達についての深い理解,幼児・児童・生徒に対する教育的愛情,教科等に関する専門的知識,広く豊かな教養,そしてこれらを基盤とした実践的指導力といった能力がいつの時代にも教員に求められる資質能力であると考える。
2 時代の変化に対応する能力
これからの教員には,変化の激しい時代にあって,子どもたちに自ら学び自ら考える力や
豊かな人間性などの「生きる力」を育成する教育を行うことが期待される。そのような観点から,今後特に教員には,まず,地球や人類の在り方を自ら考えるとともに,培った幅広い視野を教育活動に積極的に生かすことが求められる。
また,教員という職業自体が社会的に特に高い人格・識見を求められる性質のものであることから,教員は変化の時代を生きる社会人に必要な資質能力をも十分に兼ね備えていなければならず,これらを前提に,当然のこととして,教職に直接かかわる多様な資質能力を有することが必要である。
3 得意分野を持つ個性豊かな教員の必要性
このように教員には多様な資質能力が求められ,教員一人一人がこれらについて必要な知識,技能等を備えることが不可欠である。しかしながら,すべての教員が一律にこれら多様な資質能力を高度に身に付けることを期待しても,それは現実的ではない。
第1次答申で指摘したように,むしろ学校においては,多様な資質能力を持つ個性豊かな人材によって構成される教員集団が連携・協働することにより,学校という組織全体として充実した教育活動を展開すべきものであり,また,いじめや不登校の問題をはじめとする現在の学校を取り巻く問題の複雑さ・困難さの中では,学校と家庭と地域社会との協力,教員とそれ以外の専門家との連携・協働が一層重要なものとなることから,専門家による日常的な指導・助言・援助の体制整備や学校と専門機関との連携の確保などを今後更に積極的に進める必要がある。
さらに,教員一人一人の資質能力は決して固定的なものではなく,経験を積むことにより変化し,成長が可能なものであり,それぞれの職能,専門分野,能力・適性,興味・関心等に応じ,生涯にわたりその向上が図られる必要がある。教員としての力量の向上は,日々の教育実践や教員自身の研鑽により図られるのが基本であるが,任命権者等が行う研修も極めて重要である。
このようなことを踏まえ,今後における教員の資質能力の在り方を考えるに当たっては,画一的な教員像を求めることは避け,生涯にわたり資質能力の向上を図るという前提に立って,全教員に共通に求められる基礎的・基本的な資質能力を確保するとともに,更に積極的に各人の得意分野づくりや個性の伸長を図ることが必要である。結局は,このことが学校に活力をもたらし,学校の教育力を高めることに資するものと考える。
参考HP http://www.nsk-japan.com/kyosai/dts/kyoyos.html
|
|